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消えてゆく
 


■透明水彩画を描き進む過程では、二通りの進み方があるようです。
一つは、色が段々と薄く淡くなっていくのと、
もう一つはその反対に色調が濃くなる。
どちらが良いという訳ではなく、単なる描き手の好みだと思いますが。
因みに私の場合は前者の方で、色合いが年々薄くなるみたいです。
よく冗談で貧乏が続いて絵の具が買えないからと説明してます(笑)
また長年色んな方をみていると、以前に油彩を描いてたという方は、
透明水彩画であっても濃彩の方向に向かう傾向があるようです。
感覚的に物足らなく感じるのかもしれません。
勿論無意識のうの変化で、急には何も変わりません。

例えば、上の葡萄は今から20年以上も昔に描いたもので、
下は1~2年前の比較的最近の作です。
別人が描いたみたいに違うのが判ると思いますが
何故こんな風になったのかは自分でもよく分かりません。

IMG_1631_20151105172932e9d.jpg

~葡萄

有の色や形を説明することよりも、
雰囲気を重視して余分なものを省略することを
心がけてた結果ではないかとも思います。
また私の場合は10号以上の作品を描くことが無いので、
もし大作を描いていれば、こんな色調では画面が持たない。
よって濃い色使いになってしまっていたでしょううでしう。
いずれにしても大事な事は、
自分はどんなタイプの絵を理想としているのか
それを明確に持つことだと思います。
油彩でも水墨でもガッシュでもない、
透明水彩画本来の表現を自分なりに模索しながら
これからも描き続けていきたいと思っています。


IMG_1664.jpg

個展に来られたある方が、年々色が薄くなる作品を観て
『いつか紙だけの絵になるのでは』と笑っていました。
生涯を懸けて作品を残そうとすると、反対に色が消えていく・・・
そんな絵描きも面白いかもしれません(笑)





【2015/11/05 17:35】 過去の作品から | トラックバック(-) | コメント(0) |
雪明かり

■渓谷沿いに大小四十八の滝が有る。

夏の今頃は水音が涼しく人々を誘うが、冬場の岩場は凍結の為に閉鎖される。

私は雪の積もるこのこの日をわざわざ選んで出掛けた。

上流の滝壷は数年に一度の氷瀑していると聞いていたが足場が悪くて断念した。

平凡で安泰な道を歩いていては絶対に出会う事がない光景がある。

ありきたりの光景が新鮮に見えて足が止まる事もある。

何時なんどきでも心が騒く精神だけは持ち続けて居たいと思う。

雪明かり 

この日のように朝起きて雪が積もっていると聞けば後先考えずに飛んで行く・・・

そんな事が平気で出来る馬鹿な絵描きであり続けたい。

この絵を描いて既に20数年の歳月が流れたが

今もその気持ちは変わらない。


【雪明かり/三重県名張市赤目/530㎜×360㎜/アルツシュ紙/newton colours】



【2015/07/26 10:05】 過去の作品から | トラックバック(-) | コメント(0) |
韻を踏む

■絵は韻文の体言止で終わりたい。

個々の部品の説明ではなく、

明確な全体像を現すことことで、逆に余韻を持たせた絵を描きたい。

作品に何等かのメッセージを込めることは当然ながら、

描き手の主観で絵を創ることがなければ、つまらないものになる。

そこで観る者を誘導する為の修辞法が必要となる。

文学の短歌、俳句の類、或は音楽のジャズ等々も

曖昧にして韻を含ませることで

イメージに広がりを持たせようとするのに似ているようだ。

競演

主なし 庭に一輪 白き薔薇

い薔薇が主役でありながら

その背景として、何故主が居ないのか・・・

この見えない部分の表現が無ければ、ただの薔薇でおわってしまう。




【2015/04/23 09:30】 過去の作品から | トラックバック(-) | コメント(0) |
廃屋
数年前釧路に向かう途中、何気なく海沿いの無人駅に降り立った。
炭鉱で賑わっていた頃は相当大きな集落があったらしいが、
今は住む人もなくなり生活の匂いを残したままの無人の廃屋が点在しているだけだった。

生きてなお(根室線尺別駅)bbs
【廃屋/510㎜×360㎜/釧路白糠】

しばらく歩くと煙ののぼる民家を発見。その家から一人の老婆が出てきたので話しを聞くと、
数年前にここで映画の撮影が行われ、役者や関係者が札幌から大勢の人が来て賑やかだったと言う。
そのロケセットがこの先の浜にあると教えてくれた。
行ってみると、案内の看板には『映画はなみずきヒロイン紗枝の生家』と書かれてあった。
(そんな映画があったのも知らなかった)
こんな過疎の村に映画のロケ隊が大挙して押し掛け、このセットで立てたのである。
それが周囲とは不釣り合いにポッンとそのまま残されていた。
家の中には当時撮影に使われた小道具類がそのままの状態で置かれてあった。
時代の流れとはいえ、現在の住民はこの地区でわずか三所帯だけだという。

ハナミヅキ
【はなみづきロケセット】

物好きかもしれないが、寒い冬場に何の計画も無く偶然に立ち寄った土地には
何か心惹かれるもと出会うことが多い。
厳しい現実に思いを馳せてながら、それらを一枚の絵に残すことも
絵描きの仕事だと思いながら、私は吹き付ける風で凍り付いた砂浜を眺めていた。

白い岬(釧路白糠)
【白い岬/510㎜×310㎜/釧路白糠】


【2015/03/27 09:54】 過去の作品から | トラックバック(-) | コメント(0) |
君の名は

出会っても名前さえ知らない花がある

色と形がおもしろくて、ただそれだけで描くことがある

いずれそのうちに解ると思いながら年月が経ち

未だに判らないままだが

描いたことだけは忘れない

kiminonawa1.jpg



【2014/04/28 18:00】 過去の作品から | トラックバック(-) | コメント(0) |
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透明水彩画のブログです。
絵を描くことは感動を見つけ出すこと。その時々に出会った想いを備志録的に綴ります。




■変なHNですがネットを飛び回るには便利な南米の鳥です(笑) 観掛けはこんな姿でも、いたって小心者です。 気まぐれな更新になりますが、どうぞよろしくお願いします。

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