衝撃の出会い

もう35年も昔のことになるが
私はある人に連れられて一人の水彩画家の個展に出掛けた。
自分でも少しは絵を描いてはいたが、所詮お遊び程度で画家の個展など初めてだった。
その画家は台湾出身で日本に住みながら作家活動をしていた。
日本の四季を流麗でかつ力強く描いた作品を目の当たりにした私は、プロの絵描きさんは
やっぱり凄いと衝撃を受けたのを覚えている。
絵の事について直接指導は受けたことはないが、当時は50代半ばで生徒さんも大勢居た。
そのときお会いして以来お付き合いを頂いたが、亡くなられて早20年近くになる。
当時の門下生が今現在水彩画家として多く活躍をされている。
私も我流ながらあんな水彩画が描けるようになりたいと思い、本気で水彩画に取り組んだ。
やがて個展を開くようになると氏も足を運んでくれていた。
今私の描く透明水彩画はこの画家と全く違う描法ながら、あの時受けた衝撃がもしなければ、
水彩画の道に進んでなかったかもしれない。そんな意味での恩人の一人だと思っている。

6-4.jpg 

生涯アマチュアでありながら数百人の人達から慕われ趣味の絵を教えていた画家も居た。
金か名誉か実力なのか、とんとん拍子で画壇に駆け上がった画家も居た。
道半ばで若くして世を去った画家もいた。
それぞれの人生がそこにあり、私に何等かのメッセージを与えてくれた。
その都度自分ならどうするのか?ということを考えさせられる点では皆先輩だった。

何を励みに、何を戒めにするのかは人それぞれである。
魂に響き、心を揺り動かす人と出会ったとき、人は未来への種を撒いているのかもしれない。
育てようとしても咲かないまま枯れることもある。忘れた頃に突然の大輪となることもある。
何れにしても自分ひとりの力ではないことは確かだ。他人が種を植えてくれるのではない。
自分がそれを受け取って、枯らさずに育てられるのだ。
その原動力のひとつになるのが感謝の思いではないだろうか。

 

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【2010/02/25 11:27】 日々の呟き(日記) | トラックバック(-) | コメント(-) |
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絵を描くことは感動を見つけ出すこと。その時々に出会った想いを備志録的に綴ります。




■変なHNですがネットを飛び回るには便利な南米の鳥です(笑) 観掛けはこんな姿でも、いたって小心者です。 気まぐれな更新になりますが、どうぞよろしくお願いします。

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